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脊椎側弯症に最適のマットレスとは?

/ by Dr Kevin Lau
脊椎側弯症(英語のScoliosisは、古代ギリシャ語の「曲げる」ということばに由来します)とは、脊椎(背骨)が弯曲する病気です。正常な脊椎は、前後にS字型のカーブを描いています。脊椎側弯症患者の脊椎は、側方(横方向)にもカーブしているのです。 脊椎側弯症の原因としては、先天性(母親の胎内にいる間に生じた脊椎の異常による)、「特発性」(原因不明で起こる)、または二分脊椎や脳性まひなど、他の病気と関連して発生する場合とがあります。(概して、ある一定の姿勢を長時間維持することを人に強いたり、身体の動きを妨げる状況にある場合、脊椎側弯症の発生リスクが高まります。)年齢を問わず起こり得ますが、特発性脊椎側弯症の多くは、学童期や思春期に発生しています。 脊椎側弯症の影響は、その症状と同じくらいさまざまです。側弯が軽度の場合は、だいたいにおいて無症状です。非常に重度の弯曲の場合、呼吸と内臓の機能とが妨げられる結果、早期死亡を招くおそれがあります。 睡眠と脊椎側弯症 さまざまな科学的研究により、脊椎側弯症には睡眠がいかに大切かということが判っています。例えば、乳児を仰向けに寝かせると、特発性脊椎側弯症の発症率が高くなります。乳幼児突然死症候群を防ごうとして、かえって脊椎障害にかかる危険がいちじるしく高くなる状況下に子どもたちを置いているわけです! さらに、脊椎側弯症が悪化しやすい体質を持っていると診断された子どもたちを対象として調査した結果、脊椎側弯症に対して軽い抵抗を与える姿勢で子どもたちを眠らせると、弯曲が大きく軽減され得る、ということが判明しました。 この理由から、脊椎側弯症の一般的な初期療法は、エクササイズと、睡眠時および活動時の姿勢を変えることから始まります。脊椎の弯曲が進行してくると、医師たちはもっと侵襲的な治療法を採用しがちです。その典型はバックブレース(背中の矯正具)ですが、弯曲がさらに悪化しつづける場合は外科手術となります。一般的に用いられる外科手術の技法は脊椎融合で、脊椎をまっすぐにしたあと、その両側に鋼鉄製のロッドを挿入して固定します。 しかしながら、ここで焦点をあてたいのは、正しい睡眠時の姿勢は、脊椎側弯症の治療と管理にとって重要である、という点です。 もしあなたが脊椎側弯症を患っておられるなら、これが真実であるとすでにおわかりのことでしょう! 質の悪いマットレスは睡眠の質を低下させ、睡眠の質の低下は翌日の背中の痛みとして現れます。脊椎側弯症の患者さんの多くが、睡眠時の姿勢をよくすることで症状の改善を期待できます。睡眠時の痛みを防ぎ、楽に呼吸し、脊椎側弯症を改善するためにはどのような姿勢で寝ればよいか、かかりつけの医師やカイロプラクターが具体的なアドバイスをしてくれます(もうすでにそうされたかもしれません)。 脊椎側弯症に最適のマットレスとは? 脊椎側弯症の症状は個人差が非常に大きいですから、あなたに最適のマットレスはどれかを特定するのはたいへんむずかしいです。ふつうの場合でも、マットレスの好みは十人十色。でも脊椎側弯症の場合、特に一般論が通じないのは、患者さんのマットレスの好みが時間とともに大きく変わっていくからで、これは脊椎矯正手術を受けた方に特に顕著に見られます。 脊椎側弯症に最適のマットレスの見つけ方 それを踏まえたうえで、一般的なアドバイスをいくつか挙げてみます: 脊椎側弯症のフォーラムでは、他のどんなタイプのものよりも、メモリーフォーム(低反発ウレタン)のマットレスを勧めていることが多いです。このタイプのマットレスが身体を効果的に包みこみ、脊椎にかかる圧力をやわらげてくれるからです。あなたにも必ず役立つとは一概には言えませんが、一考の価値はあるでしょう。 しかしながら、だれにでも言えることですが、マットレスは快適性とサポートのバランスがとれていることが大切です。これが特に脊椎側弯症の患者さんにとって大切なのは、マットレスの上層部がやわらかすぎると、身体の重みでできたメモリーフォームの「くぼみ」から抜け出すことがむずかしい、と訴える患者さんが多いためです。特に身体を動かすのが困難な患者さんにとって問題となります。 マットレスの上に敷くパッドは避けましょう。もしあなたのマットレスが何年も使われたものなら、新しいマットレスに買い替えた方がよい結果を得られるでしょう。古いマットレスは、「支持」層がだめになっていますから、だれでも身体のあちこちが痛くなるもの。マットレスパッドを敷けば「快適性」は取り戻せるかもしれませんが、そのマットレスが、中立の姿勢にある脊椎を十分にサポートしていないという事実を解消することはできません。 腰痛の場合と同様、脊椎側弯症にも一般的に勧められているのは、中間的な硬さのマットレスのようです。ただし腰痛の場合と同じく、だれにでもいいとはかぎりません。 身体のサイズ:もし太り気味の方なら硬めのマットレスがよく、痩せ気味の方ならやわらかめのマットレスの方がよいでしょう。もちろん、特に脊椎側弯症の患者さんにとっては、3匹のクマの物語のようなもの―つまり、やわらかすぎず、硬すぎず、が肝心です。 身体のタイプ:一般的に言って、ヒップとウエスト、またはヒップと肩幅の差が大きい人は、上層部がやわらかめのマットレスが向いています。この論理は、脊椎側弯症の方にも当てはまります。もし脊椎がまっすぐでなければ、あなたの身体はマットレス上層部のソフト層でサポートされた方がよい効果があるでしょう。このソフト層の下の支持層は、硬めでなければなりません。 言うまでもないかもしれませんが、余分な枕を使って身体をサポートすれば、楽な姿勢で眠れるかもしれないことを覚えておきましょう。 実験してみましょう。あなたに最適のマットレスに関して言えば、初めて買ったマットレスは、あなたが購入する最後のマットレスではないかもしれません。店頭で試すだけであなたにぴったりのマットレスを選ぶのはむずかしいものです。信頼できるマットレス販売店では、そのマットレスがあなたに向いているかどうかを家庭で試すため、試用期間を提供してくれるものです。

脊椎側弯症のリハビリテーションにおいて、脊椎の安定に筋肉が果たす役割

/ by Dr Kevin Lau
脊椎側弯症のためのエクササイズには、脊椎の安定を助けるため、弱った筋肉を強化することに関して、異なる見解を持つ2つのグループがあります。1つのグループは、脊椎に直接つながっている、体幹深部の姿勢筋だけを活性化する必要があると考えています。一方、もう1つのグループは、深部の姿勢筋と、脊椎を上下肢につないでいる、もっと表面にある筋肉との両方を活性化することが大切であると考えています。 2004年、『Spine Journal』に「Determining the Stabilizing Role of Individual Torso Muscles During Rehabilitation Exercises (リハビリテーションエクササイズ中に、個々の体幹筋が安定に果たす役割を特定する)」という題名で発表された研究論文は、脊椎の深部および表面層にある異なる骨格筋がもたらした筋電図検査(EMG)の活動を比較・記録することにより、個々の腰部筋肉が脊椎の安定にどんな役割を果たし得るかを判断しようと、個々の腰部筋肉を研究対象としています。 その研究結果により、脊椎の安定は、脊椎周辺の1つの筋群だけに支配されているのではない、ということが明らかになりました。そうではなく、身体が行うタスクが、神経系によってコントロールされて身体の姿勢を変えるとき、脊椎周辺の筋肉すべてが、脊椎へのサポートの度合いにおいて劇的な変化をみせているようでした。 これらの研究結果に基づいて、著者たちは、脊椎の安定を促進するために脊椎周辺の筋肉の運動パターンを向上させる最善の方針は、深部の姿勢筋のいくつかだけに的を絞るよりも、その行動に関係する多数の筋肉を活性化することである、と結論を下しています。 これは、リハビリテーションにおいて、人工的に焦点を脊椎の1カ所だけに絞るより、「全身」アプローチをとることが重要である、とするシュロス法の長年の考え方を支持しています。